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アメリカ南部の音楽をやっている“SOUTHBAND”のボーカリストです。別ユニット“schazzie club”で、ジャズ&ポップスのライブもやっています。よろしく♪

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Southern American Music Band SOUTHBAND's Blog
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柴田元幸訳、ジャック・ロンドン『火を熾す』の中の一篇「一枚のステーキ」を読んでいて、冒頭に何だこれは?と思う部分があって、すっかり考え込んでしまった。

「パンの最後のひとかけらでトム・キングは皿から小麦ソースの最後のひとしずくを拭きとり、その一口をゆっくり、考え深げに噛んだ。…」

という何の変哲もない一節だが、はてさて「小麦ソース」とは何ぞや?

舞台はオーストラリアだから、食生活はほぼアメリカと同じようなものと思うが、だとしたら「小麦ソース」とはグレイビーソースのことではないのか?

しかし、もう若くはない落ちぶれたボクサーが、たった一枚のステーキさえも食べられずに力尽き、若さ溢れる相手に負けてしまう話だから、グレイビーを作る肉汁があるはずもない。

それに、柴田さんともあろう翻訳者が、グレイビーソースを知らないわけもなく、敢えて「小麦ソース」と訳したのには何かワケがあるのだろう。

あるいは、私の知らない小麦を使ったソースがあるのかも…というのは大いにあり得ることだが、文章中にソースをかけたはずの料理の描写は出てこないので、それを推測することはできない。

あまりにも貧しいので、メインディッシュはソースのみということも考えられる。だとしたら、正真正銘小麦だけのソースなのか…。

などなど、原文がないことにはどうにも埒があかないことを考え込み、気になって眠れなくなっているという…。

例えば、ニューオーリンズのレッドビーンズ&ライスを「あずきご飯」と訳すような、そんな身も蓋もない訳を柴田さんがするとは思えないので、たかが「小麦ソース」ごときの話なのだが、どうにも気になって仕方がない。



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